町おこしプロジェクト ウラ長瀞 「長瀞の自転車乗り VOL.2」


長瀞はおもしろい人が多い。人生の半分以上を自転車レースにささげてきた岩瀬さん。VOL.1ではライダーとしての今までと長瀞町で事業を立ち上げるまでのお話を聞かせて頂きました。現在は事業だけでなく、長瀞町の観光や町の発展にも深く関わっています。その辺りのお話をしていただきました。ご覧ください。

岩瀬信彦氏の略歴
1968年4月生まれ 神奈川県相模原市出身。
中学生時代に自転車レースに目覚め、人生の半分以上をレースに捧げる。1997年にはMTBダウンヒル全日本チャンピオンになる。2004年から「誰もが自転車を楽しんでくれたらいいな」という願いから、バイクライフサポートシステム(Blss)を長瀞町で立ち上げる。



”多くの人にマウンテンバイクを気軽に楽しんでもらえる何かをここでやりたい。”


Q:今後のバイクライフサポートシステム(Blss)の事業展開についてどう考えてるのか教えてください。
岩瀬さん:今やっているツアーの規模を拡大しようとは思っていない。現在の規模を維持していきたいと考えている。しかし自分の年齢を考えるともうそんなに長くはない。そろそろ事業の後継者をなんとかしないといけない。3〜5年後にはスイッチしないといけないかな。なかなか俺と走る楽しみや喜びを受け継ぐというか、誰に託すのか?と考えると人選はかなり難しい。

ツアーの運び方、俺が一番大事にしているものが受け継がれるかという部分の心配がある。ただ期限が見えてきたからちゃんとしないといけない。その人がしっかりと受け継いでくれたら本当に嬉しい。

"観光の中でもっと気軽にマウンテンバイクを楽しめる"


Q:長瀞町の観光協会などに所属して町の発展について深く考えられてる印象です。町の発展に、このBlssの事業含めマウンテンバイクがどのような関わり方をしていくのか?

岩瀬さん:俺は観光の中でもっと気軽にマウンテンバイクを楽しめるみたいなことを長瀞町でやりたい。それを5〜10年後には叶うようにやっていきたいと考えている。それが新しい自分の事業になっていければいい。

今の事業規模は次の世代に受け継いで大きくはせず、次のステップとしてね。より多くの人にマウンテンバイクを気軽に楽しんでもらえる何かを長瀞町でやりたい。バイクライフサポートシステム(Blss)としてやるのか?それとも例えばだけど行政側と連帯して何かプロジェクトをするのか?細かい部分はまだイメージできていないけど次のステップとしてやりたいことは明確にある。

"町が変わっていく兆しが見えて最近は楽しい"

Q:岩瀬さんが長瀞町に来て約20年経ちます。来た時と比べて今この長瀞町はどういう見え方をしているか?どんな魅力がある町だと感じますか?

最初来たときは関東で有名な観光地とは知らなかったな。というか長瀞町を知らなかった。「山がちょうど良い」という、山にしか目がいってなかった。長瀞町の山にしか興味がなくて、当初は町には全然興味なかった。

駅下の商店街にいって、こんなに人が来る町なんだと驚いたのを覚えてる。荒川のライン下りとか、その時はまだ町の中で馬車が走ってたりとか、すごいタイムスリップした感じがした。なんなんだこの町は、なんだか面白いなこの町、今まで忘れてた何かがこの町にはあるなと。こんなに人が来るし、こんなに都心からと来やすい町だったらここで何かできるなと考え始めた。

長瀞町に引っ越してくる頃には町のこともわかってきた。ここだったらマウンテンバイクを走りに来た人が自転車以外も楽しんでもらえる。マウンテンバイクで走ったあと、BBQやキャンプしたりいろんなプランが頭の中に出てきた。その時は長瀞町がどんどん良くなっていくというイメージがあった。

川のラフティング業者も増えてきて、これから観光地として若い人が来るなどの期待があった。けど実際に事業をやってみるとすごく保守的な人が多かった。今でも思うけど長瀞町自体が変わっていくという意識がなかったのかな。町が変わっていく兆しが見えて最近はすごく楽しい。


"ちょうど良い町かな"


これじゃ良くなっていかないのではないか?と見えないものも見えてきた。そこから観光協会や商工会青年部に入るキッカケがあり、長瀞町をよくしていく場所に入っていった。
自分の事業が軌道に乗るまではそっちを頑張っていたが、活動する中でもっとこうして行こうといろんな動きも生まれた。

今でも保守的だなっと思う部分もあるけど、新しく関わるメンバーの話を聞くと可能性を感じれて期待は膨らんでいる。自分のやりたいことを発言できる場所もあるし、進むスピードが気になるが、これが長瀞のスピードだと理解した。

グイグイいってもダメだと、その時が来るのを待つような感じ。何かがスタートするまでに時間はかかる。そう考えている。長瀞町の魅力については「ちょうど良い」いろんなことに対して、いろんな角度からちょうど良い。それが魅力かな。

"「っぽくて良い」時代"

Q:長瀞町といえばアウトドアみたいなイメージがどこかに皆さんあると思います。長瀞町におけるアウトドアについてどう考えていますか?
岩瀬さん:自分の事業はアウトドアに入る。自転車はフィットネスや趣味などいろいろある。けど自分がやってるマウンテンバイクはアウトドアになる。マウンテンバイク=アウトドアになると考えています。

長瀞町が町らしさを出していくのにアウトドアが「ちょうど良い」と感じている。もっともっと色んな可能性はある、歴史とかジオパーク的な地質学的な特徴もある。けどアウトドアは簡単にイメージがつきやすい。長瀞町に行って何しようか?アウトドアみたいな。

キャンプもできて、川遊びもできて、山遊びもできて、空遊びもできる、そういうイメージが簡単につきやすい。そんなに苦労しなくてもできる可能性がある。長瀞町をアウトドアの町にしたいという想いがある。

俺がアウトドアに対してすごい思い入れがあるとかではないけど、自分ができる可能性を考えるとこれになるかな。アウトドアは玄人というか。拘りをもつ人も多いから、あまりアウトドアというのはどうかなんだけど。
最近は、「っぽくて良い」時代になってきている。

今は趣味にお金をかけない時代になってきた。突っ込んだ趣味じゃなくても趣味と言える時代になってきた。趣味を楽しむスタイルも変わってきた。年に2、3回スキーしたら「スキーできます。」みたいに言える。深く突き詰めなくても、他人から突っ込まれない時代になってきた。アウトドア好きです!それで十分アウトドアをやってる人といえる。丘サーファーじゃないけど、アウトドアブランドを着てバンガローに泊まる。それでもアウトドアが好きですと言える時代だなと。

そういう時代だから広く浅く色んな事ができる長瀞町が「ちょうど良い町」となっていくのかな。がっつり「アウトドアマンです」みたいな人は、「えっ、長瀞町みたいな、電車で行けて車で1時間でいけるところでアウトドアなんて」という感じかもしれない。けどそうじゃない人が「アウトドア楽しんでます」と言える場所が長瀞町という気がする。それこそ子供でも自然の中で遊べて川遊び行ってきた、じゃなくてアウトドア行ってきたみたいに普通に言ってるとか。


壮大なもの、特別なものは何かもしれないけど、長瀞はちょうど良い。そういうのをみんな求めてるんじゃないのかなって最近思う。自分が趣味としてガッツリやりたいなって思うことじゃない事っていっぱいある。けどちょっとやってみたい。これやった事あるって言いたいみたいな。趣味としてやってなくてもそう言える事が多い方が面白いと思う。

やってる人からしたら本物じゃないけど、それはどうでもよくてね。自己満足でいいんじゃないかな。そんな体験を提供してあげれる長瀞町になればアウトドアが観光地としての武器になる。


長瀞町の観光はかなり真面目に考えるようになった。観光地でなくなったら「長瀞町でアウトドアを楽しもう」って言っても来た人が+aで楽しめない。観光地長瀞町でアウトドアができるから楽しい。ちょうど良いアウトドアができるとは違う。つくるお金があればそんな場所は全国にいくらでもある。雄大な自然はないし、古い歴史があるわけじゃない。岩畳などここにしか無いと呼ばれるものに正直そんな魅力はない。そういういろんな付加価値を組み合わせることで新しい魅力が生まれる。

東京からの距離、山の高さ、川の流れ、全てがちょうど良い感じに混ざり長瀞町にしかないモノになっていく。他の場所が真似できない、ものすごい武器になる。そのちょうど良さを重ねていくと、他が真似できない場所になっていく。今はやってないけどマウンテンバイクとラフティングを組み合わせてやったりもした。山と川の複合も良い。マウンテンバイク乗って、川遊びして、キャンプして、次の日は山で遊ぶ?みたいな。

子供だったら山の中を散策したり、朝早く起きてカブトムシ探しにいったりとか。すごい充実した2日間を体験できる。長瀞町はそういうことができる、ちょうど良い町。いろんな要素を集めて何かできないかなって。それで俺は自転車の部分を充実させていきたい。
Q:例えばてますけど町がセレクトショップになったら面白いですよね。
そうだね、それはいいよね。発信地としてスタート地点になればね。なんかさっき趣味はガッツリやらなくていいって言ったけど、長瀞で何か楽しさを見つける人がいたらさらに嬉しい。いろいろやってみて川遊び面白いからカヤックはじめたよ、山が面白いからマウンテンバイクはじめたよとか。そんな人がでてきたらもっと面白い。キッカケをつくる町になれば面白い町だよね。

Q:アウトドアの他にも織物や三味線など文化系のコンテンツもいっぱいありますね。まざりあったらどんな魅力が生まれるのかなと感じてます。

ほんと変な町だよね、いろいろあるもんね。ほんとにちょうど良い町と思う。面白い人がいっぱいいるんだよね。失礼な話だけど、こんな田舎だけど自分のことを田舎者って思ってないんだよ。完全に秩父長瀞ワールドに染まっている人が多いの。完全にここが世界の中心だよって人が多いよね。でももっと外の世界を見てきた方がいいよって言えないぐらいの説得力があるんだよ。それぐらいみんなにパワーがある、信念があるのかな。それが面白くて長瀞町に来てからいろいろ教わったよ。



Blss (バイクライフサポートシステム)
住所:〒369-1305 埼玉県秩父郡長瀞町大字長瀞888-1
TEL:0494-66-3930

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